日本が誇る原風景が今なお息づく飛騨高山と白川郷は、多くの旅人を魅了してやまない憧れの地です。

しかし、飛騨高山と白川郷はどの空港からも離れており、飛行機利用の方はどの空港を使えばいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、飛騨高山・白川郷エリアへの玄関口となる小松空港、中部国際空港、県営名古屋空港の3つの空港を徹底比較。

レンタカーと公共交通機関、それぞれのアクセス方法について、各空港からのルート、メリット・デメリットを詳しく解説します。

飛騨高山、白川郷の魅力

【飛騨高山】

情緒あふれる町並みに心癒される「飛騨の小京都」

江戸時代の城下町の面影を色濃く残す飛騨高山。

出格子の連なる「さんまち通り」を歩けば、まるで時代劇の世界に迷い込んだかのよう。

・魅力ポイント

【1】さんまち（古い町並み）散策
造り酒屋や味噌屋、伝統工芸品店などが軒を連ね、食べ歩きやショッピングが楽しめます。

【2】歴史と文化に触れる
日本で唯一現存する郡代・代官所「高山陣屋」や、絢爛豪華な祭屋台が見られる「高山祭屋台会館」など、見どころが満載です。

【3】飛騨の美味を堪能
とろけるような飛騨牛、素朴な味わいのみたらし団子、高山ラーメンなど、ここでしか味わえないグルメが旅の楽しみを深めてくれます。

【白川郷】

日本の原風景がここに。祈りの暮らしが息づく合掌造り集落。

大小100棟余りの合掌造りが佇む、言わずと知れた世界文化遺産。

日本の原風景ともいえる美しい景観は、訪れる人々の心を惹きつけてやみません。

・魅力ポイント

【1】唯一無二の合掌造り
急勾配の茅葺き屋根は、豪雪に耐え、養蚕を行うための先人の知恵の結晶。

実際に中を見学できる家屋もあり、当時の暮らしに思いを馳せることができます。

【2】展望台からの絶景
集落全体を一望できる「荻町城跡展望台」からの眺めは、まさに圧巻。

パンフレットでよく見るあの景色が目の前に広がります。

【3】四季折々の美しさ
田植えの時期の逆さ合掌、緑豊かな夏、錦に染まる秋、そしてすべてが白銀に包まれる冬。

いつ訪れても、その季節ならではの感動的な風景に出会えます。

4空港の位置関係と概要

まずは、4つの空港と飛騨高山・白川郷の位置関係を地図で確認しましょう。

小松空港
白川郷へ最も近い北陸観光の玄関口。

富山空港

富山の玄関口。

中部国際空港（セントレア）
愛知県の海上空港。

国内・国際線ともに便数が圧倒的に多く、名古屋駅へのアクセスが良好。

県営名古屋空港（小牧空港）
愛知県内陸部に位置。

フジドリームエアラインズ（FDA）の拠点。

各空港からの距離とおおよその移動時間を以下にまとめました。

※時間は交通状況により変動します。公共交通機関は乗り換え時間を含みます。

各空港からのアクセス徹底比較

【小松空港】白川郷へ最短！金沢観光も楽しめる欲張りルート

石川県に位置し、白川郷まで最もアクセスしやすい空港です。旅のプランに金沢観光も組み込みたい方に最適な選択肢です。

・レンタカーで行く
空港から白川郷へは、北陸自動車道と東海北陸自動車道を利用して約1時間。

ほぼ高速道路のため運転も快適です。

世界遺産の白川郷と五箇山を巡り、高山へ抜けるルートが人気です。

メリット

白川郷への移動時間が最短。金沢市内まで約40分と、北陸観光との相性が抜群。

デメリット

中部国際空港に比べると就航便数が少ない。

・公共交通機関で行く
空港から金沢駅まで連絡バス（約40分）で移動し、金沢駅から高山・白川郷行きの高速バスに乗り換えます。

メリット

金沢駅を拠点にするため、金沢での観光や食事を挟んでから目的地へ向かうプランが立てやすい。

デメリット

空港から目的地まで直通ではなく、必ず乗り換えが発生する。

【富山空港】五箇山・白川郷へ最短！富山観光も満喫できる王道ルート

富山県に位置し、世界遺産「五箇山合掌造り集落」へ最もアクセスしやすい空港です。旅のプランに富山市内観光や立山黒部アルペンルートなども組み込みたい方に最適な選択肢です。

・レンタカーで行く
空港から白川郷へは、北陸自動車道と東海北陸自動車道を利用して約1時間。

ほぼ高速道路のため運転も快適です。

世界遺産の五箇山（相倉・菅沼集落）と白川郷を巡り、高山へ抜けるルートが人気です。

メリット
白川郷だけでなく、五箇山合掌造り集落へ最もスムーズにアクセスできます。富山市内観光や、立山黒部アルペンルート方面へのアクセスも抜群です。

デメリット
主要な国際空港に比べると就航便数が少ないです。

・公共交通機関で行く
空港から富山駅まで連絡バス（約25分）で移動し、富山駅から高山・白川郷行きの高速バスに乗り換えます。

メリット
富山駅を拠点にするため、富山市内での観光や食事（富山湾の海の幸など）を挟んでから目的地へ向かうプランが立てやすいです。冬場の雪道の運転が不安な方にも安心です。

デメリット
空港から目的地まで直通ではなく、必ず乗り換えが発生します。バスの本数が限られているため、乗り継ぎの時間を事前に確認しておく必要があります。

【中部国際空港】便数No.1！公共交通機関の王道ルート

国内・国際線ともに就航便数が圧倒的に多く、全国どこからでもアクセスしやすい巨大ハブ空港。

公共交通機関の利便性が非常に高いのが特徴です。

・レンタカーで行く
空港から高速道路（セントレアライン・東海北陸自動車道など）を乗り継ぎ、高山まで約2時間半。

距離はありますが、東海北陸道は一本道で走りやすいです。途中、城下町・郡上八幡に立ち寄るのもおすすめです。

メリット
大手レンタカー会社が全て揃っており、車種の選択肢が豊富。

デメリット
3空港の中では目的地まで最も距離が長く、高速料金も高くなる。

・公共交通機関で行く

【鉄道】名鉄線で名古屋駅まで移動（最速28分）。JR名古屋駅から特急「ひだ」に乗れば、乗り換えなしで高山駅まで約2時間40分。

【バス】名鉄線で名古屋駅へ。駅前の名鉄バスセンターから高山行きの高速バス（約2時間50分）または白川郷行き（約2時間50分）に乗車。

メリット

名古屋駅をハブとして、鉄道・バスともに目的地への直通便があり非常に便利。便数も多い。

デメリット

空港から名古屋駅までの移動（約30分）がワンクッション必要。

【県営名古屋空港】FDA利用者向け！高速道路に近い軽快ルート

フジドリームエアラインズ（FDA）の拠点空港。市の中心部である栄や名古屋駅へのアクセスも良好で、ビジネスや観光の拠点として利便性の高い空港です。

・レンタカーで行く
空港が名古屋高速の入口に近く、すぐ東海北陸自動車道に乗れるため、中部国際空港よりも30分ほど早く高山方面へアクセスできます。

メリット
空港がコンパクトで、飛行機を降りてからレンタカー出発までがスムーズ。高速道路へのアクセスが良い。

デメリット
レンタカー会社の選択肢が中部国際空港に比べると少ない。

・公共交通機関で行く
空港から名古屋駅または栄まで連絡バス（約20〜30分）で移動し、そこから高速バス（高山・白川郷行き）やJR特急「ひだ」（名古屋駅）に乗り換えます。

メリット
名古屋市中心部へ出てしまえば、中部国際空港利用時と同様の交通手段が使える。

デメリット
空港と鉄道駅が直結しておらず、バスへの乗り換えが必須となる。

まとめ

あなたの旅のスタイルや出発地によって、最適な空港は変わってきます。

とにかく白川郷へ早く行きたい、金沢観光も楽しみたいという効率重視派なら「小松空港」。

白川郷と一緒に五箇山の合掌造りを周り日本の原風景を楽しみたいなら「富山空港」。

飛行機の便数の多さや、公共交通機関でのアクセスの良さを最優先するなら「中部国際空港」。

FDAを利用する方や、レンタカーで少しでも早く東海北陸道に乗りたい方なら「県営名古屋空港」。

また、往路と復路で別の空港（例：小松空港IN → 中部国際空港OUT）を利用することで、金沢・白川郷・高山・名古屋といった広範囲を無駄なく周遊する、満足度の高い旅行プランを組むことも可能です。

この記事を参考に、あなたの理想の飛騨・白川郷の旅を計画してみてください。