中国旅行特集-西安-

中国旅行特集-西安-

西安 中国文明発祥の地

かつて長安と呼ばれた古都・西安は、紀元前11世紀から約2000年間、秦、漢、隋、唐など、中国の歴史上最も多くの王朝の都として繁栄してきた。中国文明の発祥地としても有名で、世界四大文明(西安、ローマ、アテネ、カイロ)のひとつと呼ばれている。世界的な交易路、シルクロードの起点としても名を馳せ、この道を通って絹やお茶、陶磁器などが中国から中央アジア、ヨーロッパ各地へ運ばれた。その代わりに西方からは、仏教や珍しい物産が持ち込まれ、東西文化の交わるところとして、重要な役割を果たした。始皇帝、司馬遷、楊貴妃など、中国の歴史を語る上で外せない英雄やヒロイン達が活躍したのも、ここ西安だ。数多くの史跡があり、歴史好きには堪らない場所である。

観光名所

秦始皇帝陵

紀元前3世紀、7つの国が覇権を巡って争った戦乱の時代に、統一国家を打ち立てた秦の始皇帝の陵墓。工事は、彼が王に即位してすぐ始まり、彼の死後も続く大規模なものだった。70万人の労力と、40年をかけて作り上げたこの巨大な墓は、西安市街の東、驪山(りざん)の北麓にあり、陵墓から1.5km離れたところには、秦始皇兵馬俑博物館がある。領域全体は、始皇帝の生前の都市を再現したかのような規模で、秦始皇帝陵と兵馬俑博物館は別々の施設ではなく、エリア全体が始皇帝を祭る広大な場所と考えられている。陵墓の地下には地下宮殿があり、ここに始皇帝が埋葬されていると推測されている。全貌はベールに包まれているが、発掘技術の進歩によって、その謎は解明されつつあり、今後の進展に期待だ。

秦始皇兵馬俑博物館

想像を絶する数の兵士、馬、戦車の陶俑。その存在は、1974年、干ばつに苦しみ井戸を掘り起こそうとした農民によって発見された。この偶然の出来事によって、長い間地下に眠っていた壮大な遺産は、ようやく人々に知られることとなったのだ。兵馬俑は、始皇帝の陵墓を守るために作られた陶器の兵隊である。兵士俑の顔もそれぞれに特徴があり、一体一体の精巧さに驚かされる。

大雁塔

648年創建の慈恩寺内にある、七層の塔。塔自体は、玄奘(げんじょう)がインドから持ち帰った経典や仏像を保管するために、652年に創られた。玄奘は、西遊記のモデルになった唐代の僧で、仏教の原典を求めて日本を出国、天竺(インド)から教典を持ち帰り翻訳した。その他にも紀行文、「大唐西域記」を記している。

青龍寺

日本の真言宗の開祖である空海が、日本から長安に渡り学びの場としたのが青龍寺だ。ここで恵果和尚に弟子入りし、真言密教を学んだ。空海の故郷、香川県を含む四国とも繋がりが深く、四国八十八カ所霊場の0番札所とされている。日本からの参拝者も絶えず、記念碑なども建てられている。