四川省は中国で3番目に人口が多く、総面積は日本の約1.3倍にも及ぶ。西部はチベット族が多く住むカンゼ・チベット族自治州、アバ・チベット族自治州からなるチベット文化圏、南部は涼山イ族自治州、東部は漢民族を中心とした街で形成されており、多様な文化を内包している。自然環境にも恵まれており、省都である成都は、肥沃な四川盆地の中心であることから、「天府の国(物産の豊かな土地)」と呼ばれ、 漢方薬材の採集地としても有名だ。地元産のスパイスをたっぷり使用した四川料理は、地元の人々の元気の源。2011年にはユネスコ美食都市にも認定されており、食べることが楽しいグルメの都だ「成功する都市」、フォーチュンシティと呼ばれる縁起のいい街でもある。その他にも多くの世界遺産や観光スポットが点在しており、見どころも豊富。
三国志の蜀の都、パンダの故郷、そして四川料理。中国の中でも日本人にも身近な存在である成都は、中国南西部最大の都市。歴史やパンダ、本場の四川料理を求め、国内外から多くの観光客で賑っている。
特に成都を魅了するのは、四川料理。中華料理の代表格といっても過言ではない四川料理の特徴は何と言ってもその味付け。麻婆豆腐、坦々麺、火鍋の麻(しびれる)、辣(辛い)で有名な味付けに虜にされる人も多いのでないだろうか。
是非一度、成都で本場の“麻辣”をお楽しみください。
4世紀初めに諸葛亮孔明を祀る目的で建てられ、その後何度も破壊、再建を繰り返し、明代にと諸葛亮孔明の主君であった劉備を祀った漢昭烈廟に併合された祀堂。三国志の登場人物の像や資料も多数展示されている。
古き時代の成都の街並みには、レストラン、茶館、名産品店も多くあり、成都小吃を楽しむ観光客で常に賑っている
地下鉄駅でのアクセスが可能になり、今、一番観光客が集まるストリートである寛窄巷子。街並みにも素晴らしいが、食事や小劇場なも豊富に並び、夜はバーストリートとなり、成都のホットスポット。
南北朝時代に建てられた仏教寺院。
今も信仰を集め、成都の方のみならず、観光客にはパワースポット的存在。
古代水利施設の歴史は、紀元前256年までさかのぼる。岷江の氾濫を防ぐために蜀郡太守の李氷の指揮のもと始まった大規模な工事は、息子の李二郎が受け継ぎ、完成したのは、数世紀たってからのこと。はるか昔に行われた工事が、この時代にも影響しており、当時の中国の文明の偉大さを感じることができる。
2000年には、青城山と併せて、この都江堰水利施設の文化的価値が認められ、ユネスコの世界文化遺産に登録されている。
パンダの故郷である四川省で、パンダの飼育体験が受けられる、数少ないパンダ基地の一つ。
パンダ小屋の清掃や、餌やり体験等を経て、今以上にパンダ保護に貢献してみてはいかがでしょうか。
岷江の氾濫による水害を鎮めるために、唐の時代である713年に、凌雲寺の僧である、海通が建立を思い立ち、民衆を集め、物資を募ったという歴史がある大仏。90年の年月を要し、803年に、高さ71m、肩幅28m、東部の直径10mという世界最大の石刻座仏が完成。1200年以上もたった今でも岷江の流れを静かに見守り続けている。
1996年には峨眉山と合わせて世界遺産に登録され、多くの観光客が訪れる四川省の観光名所である。
中国四大仏教名山の一つに数えられる峨眉山。1996年に楽山大仏と合わせて世界遺 産に登録された聖山は、最高峰3099mを中心とした景勝区でもある。豊かな自然や山中 にある宗教的な建築物が造られるようになったのは後漢時代になってからで、その後、途 絶えることなく、建造、修復行われた。現在は、報国寺、万年寺、伏虎寺、金頂等が峨眉 山の観光名所となっている。頂上付近で見ることができる雲海は、より一層この聖山を神秘 的に見せることだろう。
九寨溝と合わせて観光に訪れる人も多い黄龍国家級風景名勝区は、富士山と同じくらいのおよそ3700mの高地に広がる景勝地。その地形が岷山山脈(みんざんさんみゃく)を登る黄色い龍に見えることからそう名付けられたこの場所は、地表に露出した石灰岩層に、水が溜まってできた大小の池が、段々畑状に広がる美しい光景が見どころ。天候により多彩な色彩に変化する様は絶景である。高地にあるため、見どころの一つである五彩池までロープウェイを使い、下り道は景色を楽しみながら下るのがおすすめ。
時間や天気、光の射し込み方によって様々な色を映し出す様は、黄龍の中でも最も美しいと言われる。
およそ650以上もの池から成る争艶彩池は、千枚田のように広がる彩池。文字どおり艶やかな美しさを誇る景観が楽しめる。