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福利厚生は人材確保や節税対策になる!?
おすすめの制度や非課税になるポイントを紹介

公開日: 福利厚生
福利厚生は人材確保や節税対策になる!?おすすめの制度や非課税になるポイントを紹介

福利厚生とは、企業が従業員に対して給与や賞与以外で与える報酬のことで、従業員の健康や生活、モチベーションなどの向上を目的に導入されるものです。
福利厚生を導入することにより、従業員だけではなく企業側にも人材不足対策や、一定の基準を満たすことで法人税節税などのメリットが得られます。
とはいえ、どういったものを選べばよいのかわからないという方も多いですよね。
本コラムでは、福利厚生制度が節税対象となる条件や具体例、おすすめの制度をご紹介します。人材確保や節税も兼ねて自社の福利厚生を充実させたい、新しい制度の導入を考えているという方は、ぜひ参考になさってください。

従業員だけではなく企業にもメリットが大きい福利厚生

福利厚生は、従業員の健康や生活、働き方の支援を目的にした制度です。
そのため、福利厚生の充実は従業員の満足度やエンゲージメントの向上にもつながります。
その結果、企業イメージを向上させ、採用活動でのアピールや人材の定着にも役立つため、企業側にもプラスになります。
また、中には法人税が非課税になるものもあるため、少しでも節税したいという企業も必見です。

優秀な人材の採用や定着につながる

近年、少子高齢化による労働人口の減少で、多くの企業にとって労働力の不足や採用難への対策が課題になっています。
福利厚生の充実は企業イメージの向上や働きやすさにもつながるため、企業を選ぶ際に福利厚生を重視する就職活動生も多く、採用活動時のアピールになります。
また、転職市場が活発化していることからもわかる通り、かつてのように1ヶ所で働き続ける傾向が減少しています。
せっかく育てた人材が数年で転職してしまうなど、頭を抱える企業も少なくないでしょう。


独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した『企業における福利厚生施策の実態に関する調査』では、従業員側の「福利厚生制度に「満足」の割合が高いほど、現在の会社に「勤め続けたい」とする割合も高くなっていることが明らかになりました。
また、反対に福利厚生制度に「不満足」の場合、「どちらかと言えば勤め続けたくない」「勤め続けたくない」の割合が顕著に高くなっているようです。
この結果から、福利厚生制度の充実は、人材の定着化にもつながり、優秀な人材が早期退職してしまうのを防ぐことがわかります。

法人税の節税対策になる

福利厚生制度は、導入費や維持費などのコストがかかってしまうのではないかと導入を諦めている企業もあるのではないでしょうか。
ところが、法人税の節税対象となるため節税になり、逆にコストダウンできるというメリットがあります。
福利厚生費は、一定の条件を満たせば経費として計上できるため損金扱いとなるためです。


ただし、すべての制度が非課税対象となるわけではありません。
節税を意識して新たに福利厚生を取り入れる場合は、どのような制度が非課税対象となるのか、よく調べてから導入を決めましょう。

節税対象となる福利厚生とは

節税対象となる福利厚生とは

福利厚生を導入すればすべて節税につながるわけではありません。
かえって予定外のコストがかかってしまった、ということにならないように、どんなものが節税対象となるのかについて見極めるポイントは2つあります。

・法定福利厚生と法定外福利厚生に分けて考える
・非課税となる条件を確認する

では、具体的にどうやって見分けるかみていきましょう。

ポイント1・法定福利厚生と法定外福利厚生に分けて考える

福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類があり、法定福利厚生は社会保険などの法律で定められているものと、社員旅行やレクリエーションなどの企業が任意で定める法定外福利厚生があります。
このうち法定福利厚生は原則節税対象とみなされますが、法定外福利厚生の場合は全従業員が平等に利用できるなどの条件を満たさなければ 対象とならないものも多いです。
そのため、法定外福利厚生を導入する際は特に条件を確認するなどの注意が必要です。

ポイント2・非課税となる条件を確認する

法定外福利厚生を取り入れる際は、どのようなものであれば福利厚生費扱いになり損金として計上されるのか、条件を確認する必要があります。
財務会計上必要な条件は次の通りです。

・全従業員を対象としている
・金額が常識的な範囲内であること
・現物支給でないこと

この3つすべてに当てはまらなければ、福利厚生費として認められません。
また、福利厚生は従業員の生活や健康、働きやすさの向上を目的とすることが前提のため、その目的から大きく外れるものも対象外となります。

おすすめの法定外福利厚生とは!?非課税となる要件をチェック

会社で任意に定めることができる法定外福利厚生は、導入する制度・サービスによってその会社ごとの特色を出せるというメリットがあります。
しかし、その種類も多岐にわたるため、どんな制度を選べばよいのかわからないという方も多いと思います。

ここでは、おすすめの法定外福利厚生

・健康診断
・食事補助
・レクリエーション
・社員旅行・研修旅行
・勤続表彰制度

について、節税対象となるポイントと導入具体例も紹介します。

健康診断

企業にとって、従業員の健康管理は重要です。定期健康診断や人間ドッグは従業員に心身ともに万全の状態で働いてもらうことが1番の目的ですが、労働安全衛生法でも会社の規模に関係なく健康診断を受けさせることは義務とされています。
また、昨今では従業員等の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」に注目が集まっています。健康経営を取り入れることで生産性の向上や組織の活性化、企業価値やブランドイメージの向上など、メリットが数多くあります。
健康経営においてやるべきこととして、定期検診の受診率を100%にすることも挙げられています。

非課税となる/ならない条件

非課税対象 非課税とならない
全従業員が受診可能 役員など一部の従業員しか受診できない
健康診断の内容が、健康管理上必要と思われ、
常識的範囲内であること
高額なオプションなど、
常識的範囲を超える内容のもの
会社が全額費用負担すること 費用を会社が現金で渡し、
従業員が一部でも支払う場合

全従業員が受診できることが条件で、役員など一部の社員しか受診できない場合は福利厚生費にはなりません。
また、健康診断や人間ドックの受診内容が健康管理に必要な常識の範囲内であることも必要です。例えば高額なオプション検査など、常識の範囲を超えて高額な内容のものは福利厚生費には該当しません。
法人名義で受診し、費用は会社が全額負担することが原則で、受診費用として従業員に現金で渡す場合は給与とみなされるので注意が必要です。 

食事補助

従業員の食事代の一部を会社が負担することを食事補助といいます。食事は活力の源としてとても重要ですが、毎日積み重なると従業員にとって結構な出費になります。
出費を抑えようとすると偏った簡素な食事になってしまいがちですが、一部会社負担があれば栄養バランスのとれた食事をすることも可能です。
食事補助は、従業員にとって自己費用負担の軽減や健康増進につながるため、会社への満足度やモチベーション向上になります。企業にとっても健康経営にもつながるため、双方にメリットがあります。

非課税となる/ならない条件

非課税対象 非課税とならない
全従業員が対象 役員など一部のみが対象
社会通念上常識の範囲内の金額であること 常識を超えて金額が高額であること
従業員が食事代の半額以上を負担している 現金支給
1ヶ月あたりの会社負担が税別3,500円以下 給与に3,500円上乗せで支給する

非課税対象になるのは社員食堂の設置や宅配弁当の支給、福利代行サービスなどによる外食時に使えるチケットの配布などがこれにあたります。
全従業員が対象であること、社会通念上常識の範囲内の金額であることを前提に、

・(食事代ー従業員が負担している額)が半額以上になる
・会社負担が月額税別3,500円以下であることの2つの条件を満たす必要があります。

また、現金で支給したり給与に上乗せする形で支給をすると、給与とみなされ課税されてしまうため、食事補助を非課税扱いにしたい場合には注意が必要です。

レクリエーション

従業員同士の親睦を深めることを目的に行われる社内行事に関する費用で、新年会や忘年会、社内運動会や社内パーティーの費用なども含まれます。
これらのイベントはコミュニケーションの円滑化や個人のモチベーション向上にもつながり、社内の雰囲気にもよい影響をもたらします。
ビンゴゲームなどで景品が当たるなど出席した人にとっても楽しめるイベントにすれば、より従業員にとって参加意欲が湧くものにできるでしょう。

非課税となる/ならない条件

非課税対象 非課税とならない
全従業員が参加・利用できる 役員や一部の社員のみしか
参加・利用できない
内容や金額が社会通念上
ふさわしいものであること
イベントで支給される景品が
度を超えて高額のもの
会社の負担額が一律

全従業員が参加可能であることが条件で、役員など一部の社員しか参加できないものは交際費として該当します。交際費は2024年4月から1万円控除可能となったので、こちらの制度を利用するのであれば問題ありません。
例えばスポーツジムや保養所の利用なども、法人契約として全従業員が利用できるものであれば福利厚生費として認められます。
また、パーティーなどの社内イベントで支給される景品については、「ハワイペア旅行チケット」などかなり高額なものである場合、福利厚生費として認められるのが難しくなります。一方、自社商品の詰め合わせ1万円分などであれば大丈夫です。

社員旅行・研修旅行

メールやチャットなどオンラインでやり取りをすることが増えた現代では、直接コミュニケーションを取る機会も減っています。
社員旅行や研修旅行は、遠方に出かけたり宿泊することで社員同士親睦を深めるイベントとしておすすめです。
オフィス内での交流とはまた違う発見を得ることができ、社内のコミュニケーション活性化や従業員のリフレッシュ、モチベーション向上に役立ちます。

非課税となる/ならない条件

非課税対象 非課税とならない
全従業員が参加できる 役員しか参加できない
日程が4泊5日以内 私的旅行や取引先への接待
参加者が全体の50%以上 参加の代わりに金銭で受取可能など

福利厚生費として認められる条件として、4泊5日以内、参加者が全体の半数以上であることなどが挙げられます。
全従業員が参加可能であることが必要なため、例えば役員しか参加できない旅行などは認められません。
また、私的旅行と思われるものや取引先への接待・慰安旅行、旅行に参加しなかった従業員に金銭として代わりに支給するなどの選択ができる場合などは課税対象となります。

勤続表彰制度

長年にわたり勤めている社員に対して表彰する制度で、「永年勤続表彰制度」とも呼ばれます。
基本的には、賞状とともに副賞として記念品が贈呈される形がほとんどです。
企業から個人の貢献に対して感謝の気持ちを伝えることで従業員の意欲やモチベーションを向上する効果があり、早期離職を防ぎ人材の定着化を促進します。

非課税となる/ならない条件

非課税対象 非課税とならない
副賞が換金性のないもの、
現金化されていない証明があるもの
副賞が現金または商品券など
換金性のあるもの
副賞が創業記念品など
(処分見込価格1万円以内)
副賞が創業記念品であっても処分見込価格
1万円を超えるなど高価なもの

賞状などと一緒に贈られる副賞の記念品がどんなものであるかがポイントです。場合によっては給与課税とみなされる場合があるため注意が必要です。
給与課税とみなされるものは、処分見込価格1万円を超える高価な創業記念品や、現金、商品券などの換金性のあるものです。
ただし、現金化されていないという証明があれば非課税対象になります。 例えば、デパートでのスーツの仕立て券を支給する場合、社員がデパートで実際にスーツを仕立てたという領収書の原本を提出してもらうことで現金化されていない証明になります。
旅行券も期限が支給後1年以内であることなどの条件を満たせば非課税になりますが、基本的に換金性が高いものとされて給与課税とみなされます。

もし福利厚生費に計上できるか迷った場合には、顧問税理士かお近くの税務署にお問い合わせいただくと、より確実です。

何から手をつけたらよいかわからない、実施する余裕がない場合は

何から手をつけたらよいかわからない、実施する余裕がない場合は

ご紹介しました法定外福利厚生をうまく非課税になるように取り入れることで、節税対策になります。
しかし、検討はしているものの、導入に際して何から手をつけたらよいのかわからない、担当者が忙しく手間をかける余裕がないという場合もありますよね。
その場合、外部の福利厚生代行サービスを利用するという方法もございます。

HISは、旅行会社としての強みを活かし、社内行事や福利厚生サービスをご案内しております。
社員旅行や研修旅行を中心に、永年勤続プログラムやあらゆる社内行事にも対応いたします。
また、株式会社イーウェルと提携して運用している「Liive(リーヴェ)」では、健康・福利厚生支援サービスをパッケージ化した会員制アプリサービスもご案内しております。
国内外ツアーの優待などの旅行サービスだけでなく、健康診断の予約手配・結果管理や健康相談などの健康支援サービス、飲食店などの優待がある福利厚生支援サービスが得られます。
企業様の課題に沿ったご提案も可能ですので、ご検討の際は、お気軽にご相談ください。

まとめ

福利厚生を充実させることは、従業員だけでなく企業側にもメリットがあります。
非課税になるポイントを抑えて制度を導入すれば、法人税節税というコストカットにもつながるため、ぜひ積極的に取り入れてみましょう。
取り入れてみたい制度はあるものの、どうすればよいかわからない、または業務が忙しく手が回らない場合は、代行業者に任せてみるのもおすすめです。
特に社員旅行や研修旅行、社内行事の手配などは自社で行うのはとても大変なものなので、ぜひ専門の代行業者に相談してみてはいかがでしょうか。

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