3分でわかる!
HISの出張管理システム(BTM)
フライトや宿泊情報、リアルタイムな滞在先データをひとつの基盤に集約。平時の手配・精算を効率化しながら、万が一の初動対応と安否確認を迅速化する「HISの出張管理システム(BTM)」をご紹介します。

海外出張の管理業務を担当されている皆さま。
突然ですが、自社の海外出張について「危機管理や安全対策は問題ない」と言いきれますか?
「出張申請書は出ているし、海外旅行保険にも加入している」
「社員も渡航に慣れているから、何かあっても現場で対応できるだろう」
一見すると問題のないように思えるこれらの状況は、果たして本当に「十分な備え」と言えるでしょうか。
本日は、一見安心に見える対策の中に潜む見落としがちなリスクと、手配の一元化がどのように実効性のある危機管理へつながるのかをお話ししていきます。
INDEX
「自社の危機管理は大丈夫」と捉えられている企業の多くには、共通する「安心材料」が存在します。しかし、その根拠をひとつずつ確認していくと、そこには見落とされがちな「リスク」が隠されていることがわかります
・出張申請書があるからフライトや出張日程、位置情報は把握している
申請書にあるのは、あくまで渡航前の「予定のデータ」です。現地での急な便変更や延泊、陸路移動があった瞬間、手元にあるデータは現実と乖離します。出張者からの自己報告がない限り、会社は最新の動きを把握できません。
・保険会社や現地代理店がいる
彼らは手配や補償、現地サポートのプロであり、有事の際にも非常に頼りになる心強いパートナーです。しかし、「自社社員が今どの街にいるか」のリアルタイムな特定や、「会社としてどう判断・指示を出すか」という経営上の意思決定まで代行してくれるわけではありません。
・社員が渡航に慣れている
「渡航回数が多い」「何度も現地に出張している」ということと、「有事の際に適切に対応できる」ことは全くの別物です。しかし会社側が「何度も出張しているから大丈夫だろう」と勝手に思い込んでいるケースは少なくありません。また、渡航に慣れている社員ほど現地で自己解決してしまい、遅延やトラブルの情報が本社に届かないため、会社側が「情報がない状態」で事態が進んでしまう危険性があります。
つまり、「申請書もある、保険も加入している、社員も慣れている」と思っていても、「いざ有事が発生したその瞬間に、会社が即座に適切な指示を出せる」とは限らないのです。
「安全だと思っている渡航国で急に暴動が始まった」「急に国境封鎖が決まった」
そんなことは、すぐには起きないだろうと思うかもしれません。しかし現に、パンデミック初期の国境閉鎖時などの局面では、会社からの指示が遅れたことで国外脱出のタイミングを逃してしまった事例も発生しました。
外部パートナーの支援や出張者本人の適応力はもちろん重要ですが、有事の際に状況を見極め、社員へ最終的な退避・行動指示を出す責任を負うのは会社自身です。そうした外部や現場に依存した運用は、平時には問題なく見えますが、会社としては「実質的に管理の手を離れてしまっている」のと同じ状態です。
これまでトラブルが表面化しなかったのも、管理体制が優れていたわけではなく、「優秀な社員のカバー」や「幸運にも深刻な事態を免れた」という結果に助けられていただけのケースは少なくありません。
出張管理を担当する部署にとって、旅行会社や社員の個人手配などと手配ルートが散らばっている状態は、普段は純粋に「日々の業務負担」として処理されがちです。「多少の手間や非効率さはあっても、大きな問題は起きていないから今の運用で回っている」そう思って見過ごされがちな「手配ルートや情報の分散」こそが、有事の際に組織を麻痺させる原因です。
なぜなら、情報が散らばっている状態では、「全社単位で即座に状況を把握する仕組み」が物理的に作れないからです。
例えば、海外の特定地域でテロや大規模災害、暴動などが発生したとします。 「今、〇〇国にいる社員を全員リストアップして」と経営陣から指示されても、手配ルートがバラバラでは、各担当者や出張者本人へ電話やメールで手動確認を始めざるを得ません。
この全社横断で「今、誰が・どこに・どんな状態にいるか」を瞬時に把握できないデータ構造では、以下のような「命に関わる初動」の遅延が確実に発生してしまいます。
・状況把握の遅れ
データの集約作業だけに貴重な時間(数時間〜数日)を費やしてしまう
・判断の遅れ
全社データが揃わないため、経営陣が会社としての意思決定を下せない
・指示・対応の遅れ
避難指示やチャーター便の手配など、具体的なアクションが後手に回る
平時から即座に全社で一元把握できる状態を整えておかなければ、有事の際の初動遅延は避けられません。
では、私たちは危機管理をどのように捉え直すべきなのでしょうか。
まず着手すべきは、有事のための特殊なルールを作ることではなく、「出張者の情報が一律で社内に集まる状態」を整えることです。平時に機能していない仕組みや集まっていないデータが、有事の混乱下で突然機能することはありません。
また、HISでは「有事に備える実効性のある危機管理体制」として、以下の4要素を定義しています。
① 危険情報発信
適切なタイミングでの危険情報の発信
② 位置情報把握・安否確認
リアルタイムな位置情報の把握とスムーズな安否確認
③ 緊急避難・安全確保
有事の際に、出張者を即時に安全圏へ避難させる動線
④ 運用の体系化
運用が体系化され、継続的に実施できる仕組み
多くの企業では、危険情報の収集や保険加入、連絡先リストの作成といった事前準備を進めています。また、有事対応マニュアルの策定に取り組んでいるケースも少なくありません。
しかし、そうした準備やルール整備ができていても、それだけで「いざという時に適切な対応ができる」とは限らないのが実情です。有事の際に社員を安全に避難させるには、それらの前提となる「リアルタイムな位置情報の把握」や「実効性のある運用体制」が不可欠だからです。
危機管理のスタート地点は、有事が起きてから対応することではなく、「平時から組織として継続的に全体の動きを可視化しておくこと」から始まるのです。
最終的に目指すべきは、出張者個人の対応力に頼る「現場任せの点管理」から脱却し、平時から組織全体で出張動向を一元管理できる「組織主導の線管理」へ移行することです。
ここで重要なのは、「手配」と「安全対策」を別々に考えることをやめることです。なぜなら、危機管理を強化するからといって、新しい複雑な運用や負担を出張者に強いる必要はないからです。
出張の「申請・手配・精算」のルートをシステム等で一元化することは、平時の管理部門における手動の照合確認や精算処理の手間を削減する業務効率化そのものになります。出張者にとっても、指定のルートで手配するだけで済むため負担が減ります。
そして、その平時の手配データが一元化された情報基盤があるからこそ、いざ有事が起きた際にも
・該当エリアの滞在者を即座に特定する
・会社として迷わず迅速な避難指示・初期対応を行う
といった体制が、追加の負担なく自然と機能するのです。
危機管理体制を強化することは「有事のための防災コスト」と考えると後回しになりがちですが、「平時の情報がバラバラの状態による業務ストレスを減らす改善」と考えれば、今すぐ取り組むべき優先課題へと変わります。
平時の手配一元化という業務改善に取り組むことこそが、最も確実で実効性のある危機管理体制づくりにつながるのです。
有事が起きたその瞬間、大切な社員を迷わず助けられるかどうか、それは危機が起きてからの対応力ではなく、「平時にどんな情報基盤を持っているか」によってすでに決まっています。
「これまでトラブルがなかったから大丈夫」「うちは渡航に慣れているから問題ない」といった過去の実績や個人の慣れに頼った運用体制は、有事の際に組織を麻痺させ、取り返しのつかない初動の遅れを生み出します。
「手配と安全対策」を別々のものとして扱うのをやめ、まずは平時の手配ルートと情報管理の一元化から、自社の出張管理体制を見直してみませんか?
平時からの確かな備えこそが、社員の安全と企業の信頼を守る最強の基盤となるはずです。