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「形式的な入社式」を卒業!
新入社員のエンゲージメントを高める
「体験型」への転換アイデアとは

公開日: 企業イベント

「また来年の入社式も、会場を借り、社長が祝辞を述べ、辞令を交付する形式になってしまう」

多くのHR担当者は、心のどこかで違和感を抱えながら、毎年のルーティンとして入社式の準備をしているのではないでしょうか。メディアやSNSで流れてくる他社のユニークな事例や、趣向を凝らした演出を目にするたびに、「このままでいいのか」という焦燥感に駆られる一方で、「うちは予算もリソースもないから」と、結局は例年通りの一方的な「講話」が中心の式典を繰り返してはいないでしょうか。

しかし、新入社員が本当に求めているのは、派手な演出でも、豪華なケータリングでもありません。彼らが「この会社に入ってよかった」と心の底から確信するのは、会社の想いや価値観が、自分自身の価値観とリンクした瞬間です。

本コラムでは、わずかな「工夫」と「体験」を加えるだけで、入社式をより実のあるものにさせるためのフレームワークとアイデアをご紹介します。

入社式の目的を「体裁」から「投資」へ再定義する

多くの企業で入社式が「毎年恒例の事務的な行事」に陥っているのは、その目的が「滞りなく実施すること」という「体裁」になっているからです。しかし、本来入社式は、会社に関わるすべての人に対する「未来への投資」であるべきです。なぜなら、以下のような意義も含まれているからです。

・新入社員の「価値観の共鳴」
会社の掲げる価値観に深く共鳴させることで、新入社員のエンゲージメントは最大化します。これは、早期離職という損失を防ぎ、成長スピードを圧倒的に早めるための「人的資本への最初の投資」となります。


・既存社員・経営層の「文化の再認識」
新入社員に自社の価値を「伝える」プロセスを通じて、既存社員や経営層自身が「我が社の強みやビジョン」を再確認します。これにより、全社のモチベーションが向上し、組織にカルチャーが再注入されるという投資効果が得られます。


・組織全体の「一体感の醸成
入社式を「新入社員だけのもの」にせず、全社員が価値観を共有し合う場にすることで、組織全体のベクトルが綺麗に揃います。この投資によって、どんな環境変化にも揺るがない、強固な一体感を持った組織が作られます。

なぜ「派手な演出」だけではだめなのか

冒頭で、派手な演出ではなく、会社の想いや価値観が、自分自身の価値観とリンクした瞬間が、「この会社に入ってよかった」と心の底から確信すると述べました。

メディアやSNSで話題になるような、著名人を呼んだり、ドローンを飛ばしたりする入社式は一見、歓迎しているように見えますが、実は大きな落とし穴があります。
それは、新入社員が「他人事」になってしまうことです。

どれほど豪華な演出も、新入社員が「見ているだけ」である以上、その感動は一過性の花火に過ぎません。現場で壁にぶつかったとき、彼らを支えるのは「あの時の派手な演出」ではなく、自らの手で触れ、感じた「手触りのある確信」なのです。

なぜ、自分自身の「価値観とリンクする体験」が彼らの心に深く刻まれるのか、それには2つの理由があります。

「聞いたこと」より「やったこと」の方が、定着する

教育学における「ラーニングピラミッド」という概念をご存知でしょうか。
一方的な講義を聞いた際の学習定着率は、わずか5%。対して、自ら手を動かす「体験」の定着率は75%にまで跳ね上がります。

学習定着率を示すラーニング・ピラミッドの図。上から順に、講義(5%)、読書(10%)、視聴覚(20%)、デモンストレーション(30%)、グループ討論(50%)、自ら体験する(75%)、他の人に教える(90%)。下部のグループ討論から他の人に教えるまでの3つは、アクティブラーニングとして分類されている。

社長が演台から「我が社は品質を大切にしている」と10分話すより、新入社員が実際に製品を手に取り、たった1つの不良品を探し出す5分間のワークを行う方が、15倍も深く心に刻まれるのです。言葉による説明は「情報」として脳に届きますが、いずれは忘れてしまうものです。一方で、自ら得た体験は「実感」として体に刻まれ、消えないものとなります。

「すごい会社」ではなく「自分の会社」として認識する

心理学には、情報を自分に関連付けて処理したとき、最も深く理解・記憶されるという「自己関連付け効果」があります。

派手な演出
この会社はすごい(=他人事の鑑賞)


価値観とリンクする体験
自分もこの一部に所属している(=自分事の確信)

豪華な演出は、会社を「見上げる対象」にしてしまい、新入社員との間に心理的な距離を作ってしまうことがあります。
新入社員が求めているのは、お客様としての「おもてなし」をするのではなく、一社員としての「居場所」です。派手な演出で迎え入れるのではなく、自社の本質に触れさせる時間は、彼らを「観客」から「一員」へと変える魔法の時間になるのです。

失敗しない「体験型入社式」の設計フレームワーク

「価値観とリンクする体験」と言っても、何を体験するかによって、新入社員が会社に抱く思いが変化します。
アイデアを構想する際、「何か面白いことをやろう」から入ると、自社のカラーと乖離した「浮いたイベント」になりがちです。確実に成果を出すために、以下の3ステップで設計しましょう。

ステップ1:新入社員に伝えたい想い(価値観)を設定する

「何をやるか」を考える前に、新入社員の想いと会社が伝えたい想いをどのように重ねてほしいかを決めます。これがアイデアの軸になります。

例A:「本物を届けたい」というプロ意識とリンクさせる
「この会社のこだわり、かっこいい!自分もここでプロとして恥じない仕事をしたい。」


例B:「誰かの役に立ちたい」という貢献意欲とリンクさせる
「自分の仕事の先に、笑顔になる人が確実にいる。この会社なら自分の理想が叶う!」


例C:「自分らしく挑戦したい」という自律心とリンクさせる
「社長や先輩も失敗しながら挑んできたんだ。自分もこの場所なら、自分らしく仕事ができる。」

ステップ2:自社のアセット(資産)を棚卸しする

特別なものを買う必要はありません。社内に既にあるものを「体験の素材」として見直します。

製品・サービス
実際に売っているもの、試作品、設計図、カタログ


場所
現場、工場、店舗、ショールーム、普段は入らない役員室



現場のベテラン、エース社員、そして「お客様の声」

ステップ3:【想い × 自社のアセット】の掛け合わせ

ステップ1の「想い」と、ステップ2の「アセット」を掛け合わせて、具体的なアクションに落とし込みます。

(例)

伝えたい想い
(価値観)
× 自社のアセット アイデア(体験)への変換
モノづくりへの
こだわり
× 自社製品 「モノづくりの原点」を知る体験
完成品をただ渡すのではなく、その製品が解決した「一番最初の悩み」や、開発時に「最後まで譲らなかったこだわり」を、開発者から新入社員は製品の「裏側にある執念」に直接触れる。
顧客第一主義 × お客様の声 「誰を幸せにしているか」を知る体験
マニュアルを読み上げる代わりに、製品を使って人生が変わった顧客の「実話」を共有。自分たちが明日から行う仕事が、「誰の、どんな笑顔に直結しているか」を肌で感じる。
社会への貢献実感 × 自社製品を待っている「現場」 「開通・納品」の現場を見る
自社の部品やシステムが組み込まれた現場の見学や中継をし、稼働や出荷をしている様子の見学をする。実際に動き出す社会のインフラを感じる。
フラットな社風 × 経営陣や先輩社員 「常識を疑う」公開Q&Aセッション
単に成功談を聞くのではなく、「若手の意見で会社が変わった実例」の当事者(先輩と役員)を呼ぶ。新入社員はその場で「なぜその意見を通せたのか?」「反対されなかったのか?」を徹底的に深掘りし、「NOと言ってもいい、変えていい」という空気感を肌で掴み取る。

入社式を少し変化させる「体験」を盛り込んだアイデア

上記のフレームワークを使って考えた、4つのアイデア例をご紹介いたします。

・【モノづくりの原点 × 素材・現場】「素材の現場」を五感で知る
商品になる前の素材を実際に見に行きます。
アパレル業界なら縫製工場、食品会社なら原材料の生産地へ、建設業なら森林や木材加工場へ。
生産者の想いや、素材そのものの感触を確かめ、製品の本当の価値を肌感覚で理解してもらいます。


・ 【顧客第一主義 × 自社サービス】「顧客体験」をそのまま式に取り入れる
ブライダル業界なら「結婚式参列風」、ホテル業界なら「パーティー参加風」など、自社が提供するサービスをそのまま、入社式に取り入れます。
「自分たちがこれから提供する価値」を自ら体験することで、お客様の感動を深く実感します。


・【顧客第一主義 × 顧客のリアルな声】「顧客の意見」に触れる
届いたばかりのアンケートハガキや、お客様からの感謝(あるいは厳しい指摘)の手紙を、新入社員が最初の一人として開封します。自分の仕事の先にいる「お客様」を想像する力を養い、入社初日に「誰のために働くのか」という軸で考えるきっかけをもたらします。


・【自己実現×会社と自分の未来 】「マイ・パーパス」を社章に込める
会社のビジョンと、自分自身の「人生で大切にしたい価値観(パーパス)」が重なる部分を言語化します。それをカードに記し、社章や社員証ケースの裏側など、毎日必ず目にする場所に自分でセットします。会社を「ただ給料をもらう場所」から、「自分のなりたい姿を実現するための最高のパートナー」へと再定義するきっかけをもたらします。

入社式を、新入社員の「心が動く体験」にするために

入社式は、会社と新入社員の「橋渡し」をする、年に一度の重要な舞台です。
しかし、日々さまざまな業務を抱えるHR担当者にとって、忙しさに追われ、とりあえず会場を押さえるという業務になりがちです。
ここで、少しだけ「入社式で何を感じてほしいのか」を想像する時間を加えてみてください。

「新入社員が抱く期待を、会社のビジョンとどうリンクさせ、最高のスタートを切ってもらいたいか」

その答えの中に、あなたの会社にしかできない、最高の入社式のヒントが隠されています。まずは次の入社式で、何かひとつ「体験」を組み込むことから始めてみませんか。

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