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派遣留学を考える

公開日: 教育旅行・修学旅行・留学
派遣留学を考える

留学の意義として「語学力向上」「国際理解」「人間的成長」などが挙げられます。そんな留学について、必要性、変遷、そして、今後の展望を考察してみたいと思います。

派遣留学の必要性

資料1

その答えにはグローバル社会と日本の国際競争力が密接に関わっております。 日本の国際競争力の総合順位変遷(資料1)をみると、1989年から1992年まで1位、1996年までは5位以内の高い順位を維持していましたが、1997年に急落し、以降低迷したまま2022年は34位という結果になっています。日本の国際競争力が落ち、世界に比べグローバル化が大きく出遅れていることが分かります。 日本がこの危機から脱するためにはグローバル人材育成が大切であり、若い世代(高校生、大学生)の派遣留学を推し進めることが必要不可欠であると言えるでしょう。
それでは次に、派遣留学者数がどのような推移を辿っているか見ていきます。


参考:IMD「世界競争力年鑑2022」より三菱総合研究所作成

派遣留学者数の推移

資料2

グローバル人材に必要不可欠とされる語学力や国際経験を強化すべく、日本の若者の海外留学を後押しする風潮になっていく中、文部科学省は「スーパーグローバル大学創成支援事業」や「留学促進キャンペーントビタテ留学JAPAN」を推進するなど、若者の海外留学への機運醸成を図ってきました。その結果、世界各地への留学を実現し留学者数が増加していました(資料2)。ところが、2019年度後半に起きた新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、ほぼ全世界が感染症危険情報レベル2以上に指定されたことや、各国政府による外国人に対する入国制限等により、留学時期の延期や中止が行われたため、上昇基調にあった日本人の留学者数は2020年度に前年度比98%減となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界中の留学交流が停止し、学生の留学機会が奪われる事態となってしまったのです。
国(文部科学省)はこの事態に対し、海外派遣留学推奨として、2020年海外大学の学位取得を目指す留学、2021年大学間交流協定等に基づく1年間(実際の派遣期間9か月以上)の海外留学プログラムの留学、さらに2022年日本人学生の大学間交流協定等に基づく1年未満の留学プログラム再開の号令を出すなどをしてきました。またこの動きに呼応するように独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)による奨学金の支援も再開されました。 国の後押しや金銭面での支援があることで、コロナ以前のように留学に踏み切ることができたのでしょうか。


参考:文部科学省

派遣留学実施に向けての
弊害

海外への渡航機運が高まり始めるも、実際の留学実施にあたっては、ワクチン接種証明書の取得、出国前PCR検査、帰国72時間前までのPCR検査、入国時の隔離処置、新型コロナウイルスに罹患した場合の対応など、海外出入国には弊害が多く、派遣留学再開に踏み出せない状況が続いていました。それでも何とか派遣留学を再開すべく模索した学校関係者は、日々変わるさまざまな情報の収集、水際対策に伴う諸々手続きおよび手配、そして新型コロナウイルスに罹患した場合に備えるコロナ保険加入や危機管理会社の導入等による学内体制整備などを行うことで、ようやく派遣留学が再開されはじめました。
勿論、すべての学校が派遣留学を再開したわけではなく、弊害の多さやリスクヘッジの観点から派遣留学再開に踏み切らない学校が多かったのも事実です。ただ、派遣留学を諦めたのではなく、新たな留学の形が見出しておりました。

新たな留学の形

資料3

それはオンライン留学です。一般社団法人海外留学協議会(JAOS)が実施した「海外留学協議会による日本人留学生数調査」の結果(資料3)によると、2021年の年間留学生数は1万5083人(オンライン含む)中、全体の約60%がオンライン留学となり、派遣留学数より大きく上回っていたことがわかります。コロナ禍でも留学をあきらめず、オンラインを利用して留学体験をした学生が多かったことを表していると言えます。


参考:一般社団法人海外留学協議会(JAOS)

今後の派遣留学

今後、派遣留学は増えていくのでしょうか。
現在、新型コロナウイルスに加え、ウクライナ情勢、円安、世界的なインフレなどさまざまな不安要素がありますが、学生の留学に対する前向きな意識(資料4-1)に加え、文部科学省がグローバル人材育成の取組みを強化すべく新しいビジョンを掲げて次期トビタテを実施するなど、制度的に留学しやすい環境が整ってきており、今後派遣留学者数が多くなってくると考えられます。
また、新しい派遣留学の形として考えられるのが、ハイブリッド型派遣留学です。その理由は、文部科学省が2021年3月に海外留学に関してインターネット調査した結果(資料4-1~3)からみられます。

Q1:コロナ禍で留学への関心や意向は減っている?増えている?

A1:コロナ禍でも留学意向が変わらない

資料
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Q2:オンライン留学、具体的にどんな学び方、プログラムに興味ある?

A2:5割程度の学生がさまざまなオンライン留学に興味がある

資料
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Q3:オンライン留学のメリットとデメリット、重視するポイント

A3:期待・メリットは費用面が抑えられる

資料
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派遣留学の意義の一つである「異文化理解」を考えた時にリアル留学が望ましいと思われますが、費用面を考えた時の選択肢や、世界情勢により派遣留学が実施不可だった場合の代替案としては有用です。また、事前にオンラインで現地と繋いで語学を学び、コミュニケーションを取った上でリアル留学することにより、現地での滞在がより有意義になるという利点も考えられます。
コロナ禍で見出したとも言えるオンライン留学が、新しい派遣留学の形を作っていくのではないでしょうか。


参考:文部科学省 トビタテ!ニューノーマル留学ラボ〜コロナ禍の留学探究〜|トビタテ!留学JAPAN

最後に

コロナ禍を経て進化していく派遣留学。その中で、旅行会社には航空券含む手配先としての役割だけでなく、派遣留学に関連するさまざまな情報提供、危機管理体制構築、緊急対応、オンライン留学支援等トータルサポートが益々求められていくことになるでしょう。
グローバル化した世界における日本の立ち位置が変わっていく未来を信じ、旅行会社としてできることを行っていきたいと考えております。

株式会社エイチ・アイ・エス
法人営業本部 教育旅行事業グループ 安田浩二

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