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人材育成の転換期!
今注力すべき「育成戦略」のポイントとは?

公開日: 企業イベント

現在、人的資本経営や多様な働き方の推進に伴い、従業員エンゲージメントの重要性は高まる一方です。しかし、「優秀人材が定着しない」「モチベーションが低下している」などのさまざまな課題は、いまや従来の社内研修やOJTといった手法だけでは解決できない段階に直面しています。

このような背景を踏まえ、本コラムでは人材育成を取り巻く環境の変化について振り返り、その投資効果を最大化するために、今HRが注力すべき「新しい育成戦略のポイント」を徹底的にご紹介いたします。

HRが取り巻く環境の変化:「労働力」から「経営資産」へ

現在、人事部門は従来の事務管理的な機能から脱却し、「企業価値創造」を担う戦略部門へと役割を大きく進化させています。この変革の根底には、人材の捉え方が「労働力(コスト)」から「経営資産(資本)」へと根本的に変化したことがあります。

その投資効果を最大化し、人的リソースをいかに循環させていくかが、現在のHR領域では重要な鍵となります。HR領域の「採用」「育成」「定着」サイクルにおいて、育った人材が次世代を育成する「循環」の核となるため、「定着」は特に注力すべきポイントとなります。

具体的には、この循環を確かなものとするために、従業員の情緒的コミットメント(会社への愛着や共感)を高め、高い従業員エンゲージメントを維持することが不可欠です。従業員が「この会社に貢献したい」と心から思える帰属意識の醸成こそが、現在の戦略的急務となっています。

社内教育の変化:「企業主体」から「従業員主体」へ

「人材を経営資産として捉える」というHRの役割進化に伴い、社内教育のあり方にも変化が起こっています。

・座学から体験・越境へ
従来の育成は、受け身型の座学研修が中心であり、知識のインプットにとどまることで、職場での行動変容が進まないことが課題となっていました。
しかし現在は、学習を一方的に与えるのではなく、体験・経験を通じて従業員自身が五感で受け止め、自分に価値のある学びを主体的に選択できる時代です。この主体性を尊重するアプローチは、学びを深く定着させ、従業員の自律性を促すとともに、従来の研修では超えられなかった「アウトプットの壁」を克服する上で極めて重要です。


・一律から多様へ
全従業員に画一的な研修を提供するアプローチは、多様化するキャリア志向やスキルレベルを持つ現代の人材には適合しません。従業員一人ひとりの個性、内発的動機、具体的なスキルギャップに基づいたパーソナライズされた学びをデザインする必要があります。
これにより、変化の激しい時代に対応できるラーニング・アジリティを育成します。学習パスを多様化することで、従業員は仕事に意味を見出し、エンゲージメントと市場価値の向上を同時に実現します。


・社内完結から社会接続へ
育成を社内活動のみで完結させるのではなく、社外活動を通じた社会とのつながりを意図的に設計することが、従業員の成長と企業進化を同時に生み出す起爆剤となります。越境学習は、閉じた環境で固定化しがちなメンタルモデルを変革し、企業全体のイノベーション創出や組織的アジリティの向上に大きく貢献します。例えば、地域活性化に企業の価値を繋げるため、ワーケーションを活用して地域で研修を実施することは、企業の社会的な存在意義と人材育成を直結させ、別のフィールドで学ぶことによる相乗効果を何倍にも高めます。

育成戦略の転換点:次世代の主役が持つ価値観

前章で述べた戦略的転換を成功させる鍵は、育成の受け手となる「従業員自身の価値観の変化」を深く理解することにあります。
特に、今後組織の中核を担い、マーケットを動かす次世代の主役たちが持つ独自の価値観を理解し、育成戦略に組み込むことが、投資対効果を決定づける最重要の転換点となるのです。

新しい時代の主役「Z世代」

1990年代半ばから2010年代序盤に生まれたZ世代は、今後の企業経営と社会を牽引する人的リソースの中核であり、その重要性は以下の3つの軸から分析されます。

1.雇用(採用・定着)の軸
すでに企業の中核を担い始める年齢層から、将来の重要な採用候補となる若年層までを包含しています。特に、企業の中核を担う層の多くはキャリアアップを強く意識する時期にあり、彼らの定着率が企業の持続的な成長に直結します。したがって、Z世代の価値観に合致した育成・評価制度を構築することは、優秀な人材の獲得と流出防止という雇用戦略上の最重要課題です。


2.マーケット(顧客・購買層)の軸
今後、社会全体の購買力と消費トレンドを決定づける主要な顧客層となります。デジタルネイティブであり、社会課題への意識が高い彼らの消費行動や価値観は、企業の商品開発やブランディングに大きな影響を与えます。


3.トレンド(文化・規範)の軸
SNSなどを通じた高い情報発信力と拡散力を持っています。彼らが支持し評価する企業文化は、社会全体の新しい働き方の規範や企業イメージを形成します。また、彼らは企業価値を「アンテナ」のように発信する役割を担います。

Z世代が持つ価値観

Z世代が雇用、マーケット、トレンドの転換点となる背景には、彼らが経験してきた独特の時代環境と、そこから形成された固有の価値観があります。

彼らは、インターネットやスマートフォンの誕生・進化といったIT革命の渦中に生まれ育つ一方で、リーマンショック後の経済の不安定さや、東日本大震災、パンデミックなどの出来事も経験しています。この不安定な時代を経験したことが、彼らの行動様式と企業への要求を形成しています。

このような時代背景の中育ったZ世代は、人事戦略において鍵となる以下の6つの価値観を持っています。

・デジタルネイティブ
生まれた時からインターネットやスマートフォンが存在する環境で育っている。


・自律性とブランドへの無関心
経済の不安定さを見て育ったため、キャリア選択において堅実性・安定性を重視する傾向がある。


・多様性
多様な価値観やアイデンティティを尊重する意識が高い。


・社会性への関心
社会問題・環境問題への関心が非常に高い。


・同調志向
SNSなどでの「つながり」を重視し、仲間との同調を求める側面も持つ。

このような価値観を持つZ世代は、デジタルネイティブとしての優れた情報発信力と拡散力を持ち、社会の「アンテナ」のような役割を果たします。彼らの持つ高い社会性への関心と企業活動が共感し合う施策は、極めて大きな戦略的メリットを生み出します。

企業が彼らの価値観に適合した取り組みを行うことで、Z世代はその取り組みを世の中に広くポジティブに発信し、企業のブランド価値を飛躍的に向上させます。この「発信力と熱量」を最大限に活かし、彼らの価値観を組み込んだ育成・定着戦略を実行することこそが、今後の人材育成においてとても重要であると言えます。

価値観を武器にした人材育成の在り方

彼らの持つ高い社会性への関心は、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)活動やCSR活動との親和性が非常に高く、これを育成・定着の強力な武器として活用すべきです。

Z世代の価値観を組み込んだ戦略的循環

企業側(戦略の展開)
企業は、社会性への意識を高め、パーパス(企業の存在意義)に基づいたESG/CSR活動を積極的かつ具体的に展開します。


Z世代側(共感と選択)
社会性の意識が高いZ世代は、企業の取り組みを評価し、「この会社で働きたい」「応援したい」と感じます。


定着と愛着
就職後、従業員が実際の取り組みに参画すること(越境学習など)で、仕事への意味付けがなされ、愛社精神や仕事への熱量が芽生えます。

これこそが、企業と個人が相互に価値を高め合う「成長の輪廻」であります。
今後の人材育成においてはESG投資への積極的な取り組みを、単なるコンプライアンスで終わらせず、育成・定着戦略と直結させることがとても重要となります。

育成のポイントは「社会性」×「体験」

これからの人材育成は、雇用・マーケット・トレンドの中心であるZ世代の価値観と、教育の「社内完結型から社会接続型への変化」という二大潮流を戦略的に融合させることこそ、成長の輪廻を駆動させる鍵です。彼らが持つ社会性への高い関心を、企業の研修やイベントに意図的に組み込むことで、単なる社内行事を「社会接続の場」へと変貌させることができます。

このアプローチは、大規模な制度改革を必要としません。既存の研修に「社会性」という視点を加えることから、すぐに始めることが可能です。例えば、企業が行っているCSR活動の現地を訪れ、実際の取り組みを目で見て感じたり、チームビルディングやスキルアップ研修の一部として、地域社会への貢献活動を組み込んでみたりと、取り入れ方はそれぞれです。

このような体験は、従業員にとって「働く意味」を深く考える機会となり、そこでの「気づき」こそが、従業員の情緒的コミットメント、すなわちエンゲージメントを最大化するエネルギー源です。
企業価値の創造を担う戦略部門へと進化するHRにとって、従業員の価値観を理解し、社会性を取り入れた育成を通じて「成長の輪廻」を構築することこそが、優秀人材の獲得と流出防止、そして持続的な企業成長を実現する最良の打ち手となります。

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