企業イベント
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かつての終身雇用や長期雇用を前提とした働き方から、現代では転職の一般化や副業を通じた「社外でのキャリア形成」など、一つのキャリアに縛られない多様な価値観を持つ人が増えています。こうした変化に伴い、従業員が社内イベントに向ける視線はより真剣なものへと変わってきました。運営担当者がこの変化を理解していないと、イベントは形骸化し、マンネリ化を招く原因となります。
本コラムでは、社内イベントへの参加について従業員の価値観や本音を「積極的」「条件次第」「消極的」という3つの層に分けたデータから読み解いていきます。また、それぞれの層が社内イベントに求めているものを整理し、今後の企画・提案に役立つヒントを探っていきます。
【調査概要】
調査方法:Knowns Bizを活用したインターネット調査
調査期間:2025年10月
有効回答:1,211名
調査対象:職についている社会人(全国 / 20~60代)
本コラムを進めていく前に、実際にどのくらいの割合で社内イベントに積極的なのか、そうでないかを見ていきます。
社内イベントに対して積極的に参加したいか?
「社内イベントに対して積極的に参加したいか?」という問いに対して、「はい」と答えた人(37.3%)を【積極的な層】、「いいえ」と答えた人(35.9%)を【消極的な層】、「条件次第で参加する」と答えた人(26.8%)を【条件次第の層】とし、3つの層ごとの違いを見ていきます。
社内イベントは会社とのつながりを強くできますか?
社内イベントはコミュニケーションが円滑になると思いますか?
このデータは、従業員の社内イベント参加への積極性と社内イベントに対するさまざまな価値認識の関係性を示したものです。ここから、従業員の社内イベントへの価値認識を読み取ることができます。
全体としては、約70%の人たちが、肯定的な意見をもっており、従業員は社内イベントを通じた企業とのつながりや、コミュニケーションの機会に対して、全体的にポジティブな印象をもっています。
社内イベントに参加することに対して、積極的な層は約90%の人たちが【会社とのつながり】【コミュニケーションが円滑になるか】の双方で、「そう思う、ややそう思う」と答え、社内イベントに対してとても肯定的な意見を持っています。
従業員の多くは、「社内イベント自体の意義」を十分に認識しています。しかし、「条件次第で参加する」と回答した人も多く存在しています。それは、従業員が集まることを拒んでいるのではなく、「自分の利益になるか」「私生活とのバランスが守られているか」といった点を、シビアに判断しているといえます。パーソナリティの尊重を重要とする現代で、この価値認識を把握しておくことが、従業員との意識の乖離を防ぐ第一歩となります。
反対に、社内イベントに対して消極的な層は、約60%の人たちが【会社とのつながり】【コミュニケーションが円滑になるか】の双方で、懐疑的な意見をもっています。
では、なぜ「消極的な層」は、社内イベントに対して消極的なのでしょうか。
その原因の一つとして、過去の社内イベントに対する印象が関係している可能性があります。
今まで参加した社内イベントで印象に残っているものは?
積極的な層(参加する)
(422人)
条件次第(で参加したい)層
(258人)
消極的な層(参加しない)
(231人)
このデータは、今まで参加した社内イベントで印象に残っているものを、3つの層ごとに分けて順位付けしたものです。
積極的な層では、入社式や社員旅行、懇親会が軒並み高い割合となっています。次に、消極的な層は、多くの人が該当なしと回答しており、他の二つの層と比較してもとても大きい数字となっています。そして、条件次第の層では、積極的に参加したい層と大きな変化はありません。
しかし、該当なしという項目が4位に位置しており、条件次第の層でも社内イベントの印象が薄いことがわかります。やはり、「自分の利益になるのか」「私生活とのバランスが守られているか」という視点から、シビアに判断しているため、利益にならない社内イベントに対しての印象が薄くなり、「該当なし」が上位という結果になっているのではないでしょうか。
この結果から、社内イベントに対してポジティブな記憶がないことが、参加意欲の低下につながっていると考えられます 。こうしたネガティブな印象を払拭するためには、従業員の価値認識を正しく把握し、よりよいコンテンツを作り上げることが重要です。
これまで、社内イベントに対して従業員が持つ価値認識をデータから読み解いてきました。この価値認識を把握し、社内イベントを設計することはとても重要になります。
しかし、それだけでは社内イベントに対する従業員の意見は変化しません。
では、従業員にとって価値あるイベントを設計するにはどうすればよいのでしょうか。そのヒントとなるのは、それぞれのニーズを把握することにあります。
従業員が社内イベントに何を求めているかは、その参加意欲の層ごとに異なります。
| 積極的な層(参加する層) | 条件次第の層 | 消極的な層(参加しない層) | |
|---|---|---|---|
| 1位 | コミュニケーション | コミュニケーション | プライベートとの両立 |
| 2位 | 評価の機会 | プライベートとの両立 | リラックス |
| 3位 | 団結力向上 | モチベ-ション向上 | コミュニケーション |
このデータは、積極的の層、条件次第の層、消極的の層が、社内イベントに対して何を求めているかをあらわしています。
全体を見ると、コミュニケーションが上位に入っている傾向にあり、層にかかわらず多くの従業員がコミュニケーションを求めています。
それぞれをみていくと、
積極的な層(参加する層)
社内イベントを仕事において重要な役割と位置づけしており、参加することが、仕事においてプラスになるという考えを持っています。イベントを通じて、人脈や信頼を築くことが自分の「円滑な業務遂行」や「組織内評価」にプラスになるという明確なメリットを捉えていることから、参加にも積極的であり、自己の成長や評価を求めている。
条件次第の層
コミュニケーションは図りたいが、プライベートも両立したいという思い、他の層より、「自分の貴重な時間を投資する価値があるか」をよりシビアに、自分が参加するメリットの有無を見定めています。
消極的な層(参加しない層)
プライベートとの両立やリラックスなどを求めているのに対して、印象深いイベントの上位が懇親会であるというギャップから、「拘束される時間」に対して得られるメリットが少ないと感じています。そのため、社内イベントには消極的な姿勢になっています。
これらのことから、特定の層に偏った内容や、従業員が求めるものと大きくかけ離れた企画は、参加率や満足度を低下させる原因となります。そのため、自社のスタイルやイベントの目的を整理し、従業員の考え方に寄り添う姿勢を取ることが、社内イベントの形骸化やマンネリ化を抑え、参加率や満足度の向上につながっています。
さまざまな価値観が生まれる今の時代において、単純に「コミュニケーションのために懇親会をしよう。」だけでは、自分の時間を投資してまで参加したいと思わないことがわかります。そこで、社内イベントを、「個人の貴重な資源(時間)を投資するに値するコンテンツ」へとアップデートをすることが必要です。
さまざまな働き方があり、価値観が多様化する現代で、社内イベントへの考え方を一度見直すべき時代となっています。今回の調査では、「積極的な層」「条件次第の層」「消極的な層」の3つの層に分類し、従業員の本音を紐解いていきました。
全体では、「会社とのつながりや交流には肯定的」であること、「自分の利益になるかシビアな判断を下している」ことが本音としてあらわれました。
積極的な層は、交流やつながり以外にも、評価や成長の機会を期待しています。条件次第の層では、交流も私生活も両方を大事にしていきたい考えで、納得感やイベントに価値を感じることができれば、強力な推進派になる可能性を秘めています。消極的な層は私生活との両立を最優先していたり、特に、過去の社内イベントの印象がないことが問題です。
社内イベントの印象を従業員に強く残すことができるのは、層を問わず上位に挙げられた「入社式」や「懇親会」です。そのため、これらのような社内イベントが、従業員にとっての「社内イベントの基準(ものさし)」を形成する重要なイベントであるといえます。ここで、退屈な体験を与えてしまうか、あるいは「参加してよかった」と思える価値を提供できるかで、社内イベントに対する印象、基準が変化します。また、よりポジティブな印象へと引き上げることができれば、条件次第の層や消極的な層の意識の変化を促すことができます。
層ごとの違いを把握し、社内イベントを作り上げていくことが、形骸化されたイベントを打破し、満足度の高い印象に残るイベントになっていくカギとなります。