ツアーコード179633
ライターの人とライターになりたい人の特別な90分文章講座
ツアー説明
ふんこころ塾の河上伸男です
25歳駆け出しのライターだった僕はショックでした
書けば読んでもらえるのは当たり前と思っていましたから
人っちゅうのは読みたい文章しか読まん
じぶんに興味のない文章なんかぜったい読まんのや
上司がそのワケを教えてくれて納得がいきました
けれど悩みました
人に読んでもらうにはどう書けばいいのか
京都生まれ京都育ち身長187cmの僕は
神戸が好きで休みの日にはよく出かけます
国鉄今のJR西日本の元町駅の
高架下商店街を歩いていた時のことです
ちょっと説明します
昭和50年ごろのお話で
この商店街は2メートルほどの通路の両側に
食べ物屋さんとか雑貨屋さんとか
たばこ屋さんとか足袋屋さんとかがいっぱい並んでいます
僕の歩く20メートル前方にあった
服屋さんに目が惹きつけられました
その店先の店主らしき人の姿が
ミステリー映画の鬼才と呼ばれた
アルフレッドヒッチコック監督そっくりだったからです
といってもわからない人に解説します
恰幅がよくお腹がこれでもかと出っ張っていて
ほとんどアルファベットのD体型なんです
そのDヒッチコックが
目の前を通り過ぎる僕に
ボソッと言葉をかけてきたのです
僕は思わず立ち止まりました
そして店に入りTシャツを買ったのでした
京都へ帰る電車の中でひらめきました
こう書けば言葉は人のこころには飛び込んでいくのかと
あのDヒッチコックは
歩いてくる僕のこころの奥底を探っていたのでしょう
あの背の高さならサイズに困っているはずだと
それで僕を店に引き入れようと企てていたのです
もしあの時の言葉が
ナウい服あるよカッコいいよだったら
僕は無視して通り過ぎたと思います
僕を立ち止まらせた言葉は
ボソッとLLサイズあるよでした
書いてなんぼどれくらいの値段の
広告界で鍛えられたてきた僕の人生で
これが最もこころをつかんだキャッチコピーでした
ふつうの言葉が一番強いのですよ
文章を書くというのは人の心をつかむことです
人を動かそうと
企てる力がひそんでいるかで
うまい文章になるかどうかが決まるんですね
好きな文章を書いて暮らしていきたい
という最初の志を実現しながら
僕は50年目のライター生活を送っています
その間に僕が身につけた
ものの見方や感じ方や書き方の極意を
ライターの人やライターになりたい人に教えます
意外な経験もしてきましたから
面白いと思います