「しまくとぅば」を守ろう。沖縄県の挑戦!

  • 最終更新日:2023.07.06
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「しまくとぅば」を守ろう。沖縄県の挑戦!

「しまくとぅば」って知っていますか?これは、沖縄の島々で受け継がれてきた島言葉(琉球方言)のこと。組踊(歌舞劇)や琉球舞踊など、沖縄の伝統文化の基層をなすものです。伝統的な「しまくとぅば」を守るための沖縄県の取り組みに触れてみます。

琉球舞踊
沖縄の伝統文化の一つ琉球舞踊

「しまくとぅば」の一例

沖縄県の方言「しまくとぅば」の例を少し挙げてみましょう。

「こんにちは」は「ハイサイ(女性はハイタイ)」
「ありがとう」は「ニフェーデービル」
「さようなら」は「グブリーサビラ」
「私」は「ワン」
「美人」は「チュラカーギー」

ほかの地域の人たちからすれば言葉の意味がわかりませんが、しかし沖縄の文化の一端であり、こうした言葉が聞けるのも沖縄を訪れる魅力のひとつではないでしょうか。

若者の方言離れが加速

「しまくとぅば」は衰退しつつあるといいます。
2013年に沖縄県が行った「しまくとぅば県民意識調査」によると、県民の8割の人々が「しまくとぅば」に親しみを感じている一方、「日常的によく話している」県民は全体で3割程度。なかでも10代~40代の県民では、5%にも達していなかったといいます。

また「しまくとぅばでの会話内容を理解できるか」についても同様で、「よくわかる」と答えた人は50代では36.9%だったのに対し、40代になると13.1%と、たった10歳ほどの差にもかかわらず、その理解力に大きな差があることがわかりました。

「方言は大事」「しまくとぅばで話せるようになりたい」と沖縄の若者から声が挙がるものの、「共通語を使うことが多く、方言を使う機会はない」「県外からの移住者もいるため、方言は使いづらい(理解されにくい)」と現実を訴える声もあります。

9月18日を「しまくとぅばの日」に制定

しまくとぅばの日
こうした危機的状況のなか、沖縄県は2006年に「しまくとぅば」を奨励することを目的に、9月18日を「しまくとぅばの日」に制定しました。
この日付になった理由は、「く(9)」「とぅ(十)」「ば(8)」という語呂合わせから。2013年には「しまくとぅば」普及推進計画を策定し、行政や県議会、文化団体、民間企業、教育機関が参加する「しまくとぅば」県民大会が開催されています。

ほかにも県では「しまくとぅば」を広く伝える取り組みとして、テーマソングやカレンダーを作成して身近に感じてもらえるようPRしたり、行事では「しまくとぅば」での挨拶を積極的に実施したりしています。

教育機関では、小中学校の子どもたちが学校行事や道徳の時間などで「しまくとぅば」に触れることができるように工夫し、高校では国語の授業などで学ぶ機会を設けています。また、商品名などに「しまくとぅば」の使用を積極的に考えるなど、民間企業レベルでも普及をいろいろ心がけているようです。

まさに沖縄県全体が一丸となって立ち上がり、「しまくとぅば」の次世代への継承に力を入れています。

再び息を吹き返す「しまくとぅば」

沖縄の海
2006年の記念日制定後、沖縄県はより具体的な施策を練りました。それは、2013(平成25)年~2022(令和4)年の約10年間で段階を踏み、8割以上の県民が「しまくとぅば」を話す沖縄県にしようというもの。県だけでなく、学校や教育機関、研究者、各種団体、民間企業、マスコミ、地域のコミュニティー、そして各家庭のそれぞれに対し、具体的に取り組んで欲しい内容を掲げ実施してきました。

そして、前回の実施内容や課題を踏まえた新たな施策が2023(令和5)年~2031(令和13)年までの9年計画で実施されます。

沖縄伝統文化の根幹であり、県民のアイデンティティーともいえる「しまくとぅば」が復活すれば、訪れたいエリアとしての沖縄県の魅力度はさらに向上するのではないでしょうか。施策の成果にぜひ期待したいものです。

     

投稿日:2018.02.19

         

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