
日本ではモンゴル相撲と呼ばれていますが、実際にモンゴルでは「ブフ」といい、その種類も鷹の舞を模したモンゴル国のハルハ・ブフ、勇壮なライオンの跳躍で入場する内モンゴルのウジュムチン・ブフ、そしてオイラート・モンゴルに盛んな種牡牛の角突きを模した古典的なボホ・ノーロルドンなど、さまざまな種類があります。
モンゴル相撲のその身体表現には猛禽や猛獣、強いイメージのある種畜(種馬、種駱駝、種牛)の動きをかたどったものが多く、伝統的な遊牧、牧畜の生業形態との密接な関係が窺えます。 またブフは古来信仰されてきたシャマニズムとも深く関わっており、祭祀における力士の身体表現は神霊ないしその憑依として認知される場合が多いのといわれます。

ブフには土俵がないため、寄り切りなどの技は存在せず、投げや足技が中心です。
ウジュムチン・ブフでは、上半身に皮製の半袖(ゾドグ)を着用し、下半身に白いズボン(バンジル)といろいろな模様を飾り付けた腰掛け(トーホー)にブーツを穿きます。こちらのルールでは足の裏以外の部位が地面に付けば負けです。しかし、足を取ることが禁じられています。
日本の相撲のように 横綱や大関等に相当する呼び名はありませんが、強い力士は様々な色の絹切れを結んだ首飾り(ジャンガー)を付けます。力士が年を取り、引退式を迎える時にこれを故郷の有望な若い力士に譲りるのが慣わしとされています。一方、モンゴル国のハルハ・ブフでは、絹製のゾドグとパンツ(ショーダグ)をつけて戦います。こちらでは足をとることが認められていて、頭、肘、膝、背中のいずれかが地面に付けば負けとなります。